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2010年05月12日

劇団花園母の日公演

先日、那覇市のパレット市民劇場において、劇団花園の母の日公演「時代幻想歌劇 蛇精」と、「時代明朗劇 新むんじゅるー」が行われ、うちの玉城先生が地謡をつとめられたので、見に行ってきました。
劇団花園母の日公演

さすが母の日公演、会場は男性の姿はものすごく少なくて、ほとんどお母様方で埋め尽くされていました。そんな中、公演に先立ち、劇団からカーネーションのプレゼントがありました。
劇団花園母の日公演
劇団の役者さんから花のプレゼントを受け、皆さん嬉しそうでした。普段家事とかで苦労されているお母様方、お疲れ様です。こういうときにゆっくり楽しんでもらいたいものです。

公演は、舞踊をはさみながら「新むんじゅるー」、「蛇精」の順で進んでいきました。

新むんじゅるーは、「美人のカマド小が主の前に絡まれて困ってるところを、通りすがりの隣村のカナーに助けられます。そして、花染めを渡して「今夜偲んで来て・・。ハート」と約束しますが、その花染めを落としてしまいます。
カナーは約束どおりカマド小の家に偲んでいきますが、カマド小の兄が寝ないため逢引ができません。そして花染めを拾った主の前も、カマド小の家に偲んでいき、そこですったもんだの騒動が起きるのですが、最後はカナーとカマド小との結婚を兄から許されて、めでたし・めでたし・・。」
といった内容で、コミカルで爆笑の渦でした。僕も大笑いさせていただきました。そして、所々に流れる舞踊の「むんじゅる」などの曲が劇を引き立てます。
劇団花園母の日公演

劇団花園母の日公演

そして、本日のメインイベント、「蛇精」です。
あらすじは、「玉城森城の一人娘・樽金と若松は乳兄妹で幼なじみ。そして互いに思いを寄せる恋仲でもあった。だが樽金の婿を決めるための御前試合で、若松は対戦相手の金盛に体がしびれる毒を盛られて負けてしまう。そして、恋敵である金盛と樽金との婚姻のお墨付きを上様に届けるよう玉城城主から仰せつかった若松は、旅の途中金盛の部下に不意打ちを受け、生死の境をさまよう。そして若松を助けた蛇精との不思議な恋に落ちていく・・・。」という内容でした。
劇団花園母の日公演

劇団花園母の日公演

劇団花園母の日公演

劇団花園母の日公演

劇団花園母の日公演

劇団花園母の日公演

この物語、僕的には「最後は樽金と結ばれるのかな?」と思っていたのですが、そうではなくて、蛇の精(妖怪でしょうか?)と不思議な恋に落ちていくんですね。そしてこの劇って、すごく幻想的で妖しい雰囲気全開なんです。

うちの研究所で話していたら、なんでハッピーエンドにならなかったのか、という声がありました。たしかに物語って、最後はハッピーエンドが良いですもんね。で、その時に、僕が「男ならああいう世界に行ってみたいよなあ・・。」と言ったら、皆さん笑っていました。しかし、考えてみてください。似たような物語で、「浦島太郎」がありますが、「浦島太郎」は、亀を助けるという良い行いをして竜宮城にいき、乙姫がいて鯛やひらめの舞い踊りで楽しむのですが、乙姫と恋に落ちることもなく、村に帰ると知り合いも家族もいなくて、最後は玉手箱を開けておじいさんになって終わるんです。ハッピーエンドでもなんでもないですよね。ああいう目にあったら、「失われた俺の時間を返せー!!」とでも叫びたくなります。だって、年をとってからの男の一人暮らしほど悲惨なものはありません。ホント気の毒です。ガ-ン
ところが「蛇精」は、蛇とはいえ姿かたちは人間の美女の舞踊りを毎日見て、おいしいものをいただき、楽しく酒を飲んで暮らしていきます。まわりはすべて女性で、上げ膳・据え膳ですし、人間の姿をした蛇の王女様のような美人と恋ハートに落ちるんです。もう文句なくこっちのほうが良いに決まっています。ニコニコ

この公演、新聞にも載っていました。この日はあちこちで母の日公演をやっていたようです。お母様方、楽しめたでしょうか?日ごろの疲れは癒されたでしょうか?毎日の家事等大変でしょうが、また頑張ってください。
劇団花園母の日公演

劇団花園母の日公演「時代幻想歌劇蛇精」でした。


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Posted by T里之子 at 19:19│Comments(3)三線
この記事へのコメント
母の日公演は笑いと感動に満ち溢れていたようですね。
そして何より感動するのがこのブログです。

的確な芸能紹介と何気ない日常の生活。
T里之子さんの文才とお人柄の良さが滲み出た素晴らしいブログで毎回楽しみにしています。 

これからも頑張ってください。

追伸 先日 「三線工房いーばる」さんで玉城先生の「謡い」を聞いて大ファンになりました。素晴らしい師匠の元で頑張っておられるのですね。CDが欲しいのですがショップで買うべきか?それともおT里之子さんから直接買うべきか迷っています。
Posted by 桃原 at 2010年05月12日 21:36
桃原さん、はじめまして。そしてコメントありがとうございます。

それと、僕のつたないブログをほめていただき、感激しています。たいしたブログではないのですが、これからも頑張っていきますので、よろしくお願いします。

ところでCDですが、うちの研究所で先生から直接買ったらいかがでしょうか?うちの研究所は、月・水・金が稽古日で、先生から直接買ったらサインしていただけますよ。それとついでに少し見学していけば良いじゃないですか。

内地から僕の三線友達が来たときも、うちの研究所に見学がてらCDを買いに来るんですよ。よろしかったらどうですか?
Posted by T里之子T里之子 at 2010年05月12日 23:48
ありがたいお誘い、感謝いたします。

玉城先生から直接購入。、しかもサイン入りで。
いやいや 嬉しいやら緊張するやら 今からドキドキしてます。
研究所は見学も可能なのですね。是非お願いいたします。

ところでどうすればよろしいんでしょうか。
ネットにあまり詳しくないんですが、新着エントリーにメアドを登録しておきます。ゆたさるぐとぅ うにげーさびら。
Posted by 桃原 at 2010年05月14日 21:55
 
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